柿の実おちて 枯れ葉が舞って クリスマスがやってくる
庭の木々が新しい芽をそだてる為に、寒い冬にそなえて葉っぱを
ふりおとす様は静かに美しく、内に力を落とし込もうとする意志さえ
感じられます。
自然は季節のめぐりを体現してみせてくれます。
一つの現象をじっと見ていると、その時の自分に必要なキーワードが
うかんできます。ほんとに日々あわただしい私たちの生活ですが、
ほんのひと時自然に目をむけるゆとりが欲しいものだと感じるこの頃です。
さて12月に入り楓も少しずつクリスマス(冬至)に向かって準備が始まりました。
季節のコーナーも変わり、蜜蝋ローソク作りもそろそろ始まります。
神様でしょうか、仏様でしょうか、キリスト様でしょうか、何かしら
大いなるものを敬い、新しい夜明けを待つような1ヶ月であれば
いいなと思っています。
何かしら大いなるものを恐れ敬う心を宗教心というなら、
その宗教心がこれから大きく育っていく子どもたちが困難に出会った時に、
最後の砦のように子どもたちの心を支えることになると
以前講座で聞いたことがあります。
そして7歳までの子どもたちのなかには、小人さんも天使さんも神様も
生き生きと生きているのを感じます。
日本は(日の本)、南の九州は冬でも明るい陽射しが私たちを包んで
くれますが、北の方はどんよりした寒い日が続きます。
春を待ち望む人たちにとっては、冬至のお祭り、太陽のお祭りというのは
1年のうちでも最も大切な行事になります。
私たちの神話に「岩戸開き」というお話があります。
天照様が岩戸からでてこられることによって、日本も光に満たされます。
楓の3歳以上のそら組の子どもたちが、冬至まつりの時に毎年、
「天の岩戸」のライゲンをするのは、そういう意味があります。
クリスマス会(冬至まつり)の時にする、りんご蝋燭やお母さんたちの
出し物「小人の靴屋」の人形劇、クリスマスを迎えるまでのアドベントに
ついて、昔小学生クラスの先生をしていた方の文章がありますので
参考になさってください。
ドイツではとても大きなクリスマスリースみたいなものを横にして
赤いろうそくを4本立てて天井からつるし、クリスマスの1ヶ月前から
週1本ずつ火を灯します。シュタイナーによると1週目が鉱物(石など。人間の
身体形成・骨も一種の鉱物)、2週目が植物(人間の成長も一種の植物、生命力が
流れている)、3週目が動物(物質体・生命力を持ち四肢で動くという
単純な意思を持っている)、4週目が人間(私というかけがえのない存在)、
そして4つ目のろうそくに灯がともった時に神の子であるキリスト・イエスが誕生
したとされます。子どもたちが中央にともされた灯りをめざして歩き、自分の
ろうそくに灯りをともすことは、自分の心の中にも灯りをともすことでも
あります。また暗闇の中をひとりで歩くという勇気がいる心の体験があるわけです。
子どもたちの勇気ある一歩を暖かく見守っていただければ幸いです。
さてお母さんたちが上演する「小人の靴屋」の人形劇です。
靴が売れなかった靴屋の夫婦は、小人から小人が真夜中に作った靴をプレゼント
されます。小人の作る靴はすぐに売れてしまいます。
夫婦は御礼に小人に贈り物をします。すると小人は二人の前に姿を現さなくなって
しまいます。小人は中央にともる灯のように夫婦の心を照らし、希望をもたらして
くれたのです。それからというもの夫婦のつくる靴は、売れるようになり、幸せに
くらしたということです。
子どもたちの心にも灯りがともり、希望や光り輝く未来が訪れますように。
園長 : 林 悦子
※このブログは、園長が保護者に毎月配布している「かえでだより」を あらためて掲載したものです。写真だけでは伝わらない一年を通した園の雰囲気や、 園長・職員の考え、想いなどを入園検討者の方や子育て中の皆様にもお伝えしていければと思います。
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